荒川弘 「鋼の錬金術師」 (23)
最終決戦ってことであちらこちらで激しい戦いが繰り広げられる23巻。アル対キンブリーとプライド、圧倒的な賢者の石の力はともかく、満身創痍のハインケルの出番とその戦いの結末は予想外過ぎた、それにしてもプライドは「暴食」が相まって本当に最凶のホムンクルスになったな。
アームストロング姉弟対スロウス、久々に出た最強の○○のホムンクルスは「怠惰」の名前とその能力の組み合わせが面白い。少佐は脱臼を無茶苦茶な方法で治したり、追い詰められても「芸術的筋肉と芸術的錬金術」とか言っていたり、少将は反逆罪で銃殺刑のはずが中央兵を含めて状況を一変させたりとか絶望的な展開だったはずが、どうにかなるんじゃない?と。
最大の見どころはやっぱりマスタング大佐対エンヴィー、ハガレン史上最も怖い顔の大佐、ラスト戦でも凄まじかった焔の力は人形兵や人造人間と対人戦闘*1 ではまさに最強の錬金術。復讐の道に堕ちそうになる大佐、ホークアイだけじゃなくエドとスカーの絡ませ方もいい。
エンヴィーに対するエドの「嫉妬」への理解は今までのホムンクルスの中で、七つの大罪が最も上手く表現されていたのかな。分かり易過ぎるグラトニー、グリード、スロウスに比べるとラスト、ラース、プライドは逆によく分からないし。
24巻で気になるのはホーエンハイムと異形の「父」にグリードの絡み方、ブラッドレイもそろそろ再登場してくれるか。あと、何気にエドの出番が少なかったからもう少し頑張って欲しい(笑)
- 作者: 荒川弘
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2009/08/12
- メディア: コミック
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*1:身体構造が人間と同じという意味で。