和田竜「忍びの国」

これを読み終わったのは法学部行くときの東海道線だったかな?もともと日本を舞台にした歴史ものが特別好きなわけじゃないから、『そろそろ旅に』の後に読み始めたときはあまり乗り気じゃなかったんだよね。
でも読んでるうちに肉体を使った人間離れの忍術の描写、さらに知恵を巡らした策謀、相手の心を読み解きその心に付け込む忍術の真価に惹き込まれた。人ならば付け込まれまいとする心、「無門の一関」を破るための駆け引き辺りの話が好き。


忍びの国』で特徴的なのはストーリーの合間に参考文献の引用や解釈をしていること、小説ではあまり見かけない書き方だなぁって。作品としては歴史ものってよりはエンターテインメント色の方が強い、伊賀忍者達はもちろんのこと織田信雄やその家臣を始めとして個性的なキャラクターも多いし。
後半の戦もテンポが良いから読みやすかった、この作品は映像化したら観応えがあって面白そう。次は何読もうかなって、そういやラストメンヘラー読み終わってない、次の本読む前に読破しようっと。