伊瀬カツラ 「ラストメンヘラー」 第24錠 『五十嵐すみれ (8)』・25錠 『中原要と五十嵐すみれ』

ラストメンヘラー - 文藝新都


第25錠の第一理科室の会話が一番ズシンと来た、しかも俺がより共感できたのは五十嵐の言葉。第24錠の彼女は無茶苦茶なことを考えているようにも思えるけど、潜在意識ではそれもまだ違うとか思っていて、上手く表現できないんだけど、彼女は考えてしまう人なんだよね。
きっと誰もが登場人物と同じような悩みを断片的に抱えていると思う、この作品を読んでいてずっと意味がわからない、気持ち悪いって感想しか浮かばない人はもう鈍感とか無自覚になりつつあるんだろうな。それって逆に幸せってことだけどね、少なくともメンヘラーの素質があるんじゃないかって思っちゃう俺よりはずっと。*1

*1:幸せって相対的なものだから本来は比較できないけれど、自分と同じ苦痛を感じないって意味では幸せだよね。でもその苦痛自体が自ら不幸になってるとも言えるけども。