ラスト・フレンズ スペシャルアンコール特別編

先週に観損ねてこれも感想がかなり遅れたー。俺の部屋はテレビないし、DVDは観れるけど録画は未だにビデオなもので、どうかご愛嬌を(´・ω・`)


最初に結論書いちゃうと、中途半端な総集編だったって感じ。普通は総集編を観たらドラマの内容がそれなりにわかると思うけど、重要なシーンを強引につなげていっただけだから、結局このドラマが視聴者に何を伝えたいのかって部分が曖昧になっちゃってる。
そもそも本編の11話全部を観ていたって意見が分かれるほど複雑な話なのだから、今回の特別編から観た人はわけがわからないか、作品そのものを誤解しちゃう気がするよ。あの内容でこのドラマに興味を持って、初めから観てみたいとかもっと詳しく知りたいって思わせられたら成功なのかもしれないけど。


新撮シーンも取って付けた感じ。オグリン(山崎樹範)がどうしてわざわざ美知留(長澤まさみ)が以前働いてた美容院に突然行こうと思ったのかよくわからないし、DV(ドメスティック・バイオレンス)被害に遭ってた先輩美容師の話も触れただけで全然後の展開につながらなかったし。
本編の後日談を描くのなら、それぞれの日常の一部を切り抜いて彼らの今に簡単に触れるだけか、先輩の美容師が受けてるDVを手助けするくらいまで踏み込んだアナザーストーリーにするかはっきりして欲しかった。


タケル(瑛太)のトラウマもお姉さん(伊藤裕子)との電話くらいしかなかったけど、あれはあのままでいいと思う。タケルは瑠可(上野樹里)たちと長い間*1一緒に暮らしているうちに彼なりのこたえを導き出したわけで、それが電話で告白した通り「赦す」ってことだった。
決してお姉さんと電話して話したから彼は救われたわけじゃなくて、タケル自身がドラマじゃ描きれないような心の闇と向かい合ったひとつの結果なんだよ。


心の傷が治る瞬間なんてものは現実には存在しなくて、ただ長い時間が少しずつその傷を癒していくだけ。美知留が直面したDVのような問題以上に、瑠可のように周りの受容が求められるアイデンティティーの問題や、タケルのように過去に受けた心の傷と向かい合うって問題は、解決するまでにもっと長い時間がかかると思う。*2
今回の総集編から観た人はぜひ本編も全部観て欲しい。自分自身に関係なくてもいつか、もしかしてでも他人の痛みを少しでも理解しようと努力することができるように。

*1:本編から今回の特別編までずっと、シェアハウスの仲間が抱える問題を一緒に乗り越えながら。

*2:あくまでDVって行為自体の解決であって、宗佑(錦戸亮)の死やDVを受けてきた美知留自身の心の傷を治すって意味ではタケルと同じ話になるけど。