ラスト・フレンズ 第7話 「残酷な現実」

タケル(瑛太)の告白はタイミングが悪いようで、実はタケルにとっては結果的によかった。瑠可(上野樹里)は心を許せると思ってた相手に秘密を話す機会を失くしちゃったけれど、逆に瑠可から先に打ち明けられていたときのタケルのショックは計り知れない。


誰もがお互いを気遣っているようで、肝心なときに詰めが甘いのがドラマ、というより人間らしい。
もし誰にも心の内を読まれないポーカーフェイスを続けていたら、きっといつか精神が壊れてしまうから。


性同一性障害に対する理解の大きな分け目は、愛しているかってことだと思う。


たとえば誰かに「私(俺)は性同一性障害なんだ」って打ち明けられたとき、俺は動揺するかもしれないけど、その事実を受け容れられる自信はある。
ただし、このとき俺がその人のことを好きだった、もしくは相手が俺のことを好きだと言ったら話は大きく変わる。


タケルにとっては先に告白したことがよかったって先に書いたけど、どんなにこの障害に理解があっても相手のことを愛していたら理解することはとてつもなく難しいことになる。
家族も一緒、親や兄弟姉妹という血のつながりや生い立ちがあってもきっと理解は難しい。


多分、美知留(長澤まさみ)を含めたシェアハウスの仲間はきっと理解してくれる。タケルも瑠可に告白してフラれるってプロセスを踏んだことでいつか理解できる。
物語はそこまで踏み込むかわからないけど、瑠可が美知留に気持ちを伝えたらまた話が難しくなるんだろうな。


こうやって書くと「性同一性障害者は人を愛してはいけないのか」って言われるかもしれない。
でも彼らや彼女らが人を愛して受け容れてもらうことは、果てのない茨の道を歩むくらい大変なことなんじゃないかって思うんだ。