ラスト・フレンズ 最終話 未来へ

自分の感想を書いた後に他の人の書いたものを読むからまだわからないけど、今回は賛否両論に分かれそうな話だったなぁと。
ちゃんとハッピー・エンドに持ってきて最後に気持ち良く観ることができたとも言えるし、曖昧な表現とか最終回でも詳細が語られなくてうやむやだった部分がやっぱり説明不足とか作りが甘いとも言える。


宗佑(錦戸亮)の自殺もまさに意見が分かれるところで、第10話の感想でも「(最後に)良い人になった」って表現している人もいた。俺としては瑠可(上野樹里)たちと同意見で、彼は最後まで自分本位で終わっちゃったなって。
最期は美知留(長澤まさみ)のためにそこまで、って思う人がいたらそれは及川宗佑ってキャラクターじゃなくて錦戸亮って役者に感情移入しているだけ。『ラスト・フレンズ』の及川宗佑は決して簡単に気持ちがわかるなんて言っていい役ではないし、それだけDV(ドメスティック・バイオレンス)って難しいテーマだから。*1


この宗佑の自殺にもつながるけど、今回の話で残念だったのは全体的に展開が早すぎて、本来最終話で最も描いてほしかった、美知留が宗佑の死や瑠可の障害を受容していく過程がほとんど描かれなかったこと。
ただハッピー・エンドに持っていくためには回収しなくちゃいけない伏線が多くて、最終話の中で美知留の心情を描ききれなかった逃げとも取れる理由と、結果以上にこの問題を受け容れていくプロセスは人それぞれ違うものだから、ドラマの話だけで簡単にこの結末がすべてと視聴者にこの問題を型に嵌めて欲しくないって理由もあるかもしれない。


モトクロス全日本選手権の優勝記者会見の瑠可のセリフは性同一性障害(または性別不快症候群)に悩んでいた彼女のひとつの答えで、「男だから女だから」「男らしさ女らしさ」って偏見や固定観念に縛られずに、生物学的・社会学的な性別を超えた「ひとりの人として」生きる。
幸せのカタチは無数にあるわけで、夜の海辺で瑠可がタケル(瑛太)に言った「長年連れ添った夫婦ってこんな感じなのかもな。男女の枠を超えた何でも話せる友人のような関係」(言い回しが違ってたらゴメン)ってセリフが象徴的だった。


タケルやエリ(水川あさみ)とオグリン(山崎樹範)の話はついでっぽい感じがしたけど、まぁこれはこれでありか。タケルはやっと過去を打ち明けようとしたのに瑠可が途中で制したから、結局セックス恐怖症になった理由はかなり漠然としたものだったし、克服できたとか特に解決したらしい話も出てこなかった。


瑠可とタケルのバイク事故はいらなかった。軽傷と見せかけて瑠可に何か後遺症でも残るんじゃないかとかドキドキしてたけど、ただ妊娠して定期健診を受けに来た美知留と再会するためだけのものだったし。
妊娠高血圧症候群?って診断された美知留もなんだかんだで無事出産したし、瑠美ちゃんも元気に生まれてきてよかったのかな>最終話だからって死亡フラグっぽい描き方ばかりしないで欲しい


最後にどんな結末を迎えるか注目だった『ラスト・フレンズ』だけど、今回のようにシェアハウスに住む男女3人が一緒に子育てしながら人生を歩んでいく、夫婦・恋人・友達とも違ったそんな新しい家族みたいなひとつの幸せがあってもいいはず。
来週30分拡大放送予定の『もうひとつのラスト・フレンズ*2も気になる。おそらく来週は録画して後で観るから、感想は月曜(6月30日)以降、最後まで色々書いちゃうつもりだからよろしく(`・ω・´)

*1:そういう意味ではジャニーズとか関係なく、錦戸亮のことは上野樹里と同じくらい評価してる。

*2:検索したら同タイトルの隠れHPが出てきたけど、放送されるのは番外編じゃなくて制作秘話とかなのかな。